探偵たいたんです
知り合いの紹介で調査員の入社面接があった
その一次面接はクリアした
二次面接は僕が担当するようだ
来月になると海外出張やらなんやらで
スケジュールがパンパンに埋まっている
今月も出張や現場で彼と会える時間がない
あまり待たせても彼にも計画ってものがあるだろう
それに僕は相当変な子でない限り
採用しようと考えていた
なぜなら探偵の現場の仕事は
初対面で少し話したぐらいで
合うのか合わないのか判断できないからだ
最初は事故ばかり事件ばかり起こしていた調査員が
どんな現場でも果敢に挑むスーパー調査員になることもある
「どんなことでもへっちゃらです!」
とイキってみせた子が1日で根を上げることもある
探偵の面接なんて挨拶ぐらいのものです
見る所はやる気があるのかないのかぐらい
しかし、面接する時間がなかったので
早朝に名古屋より40km離れた調査現場近くに
彼を呼ぶ事にした
少し話して
よければそのまま現場調査の研修をしよう
何時間も車の中にいれば、彼の事も分かってくるし
探偵という仕事の事も話しができる
前日、彼に集合時間と集合場所の連絡をした
すると彼は
「お恥ずかしい話
そちらに向かう経費が僕には出せないです
別の日に改めさせて頂くことはできないでしょうか?」
彼には36歳、妻子あり、金銭的な事情があることも聞いていた
彼にお金の事で心配させたのを謝罪して
経費も日当もザックリ出すから
明日、会いたいと伝えた
すると
「すいません、そちらに向かうガソリン代もないんです。後日、たいたんさんのタイミングでいいですよ。」
と返ってきた
僕のタイミングは明日なんだけどなぁ〜
そうやって彼は今までタイミングを外してきてしまったのかもしれないと心配した
出来ない理由を探す
やりたくないことのデメリットを探す
習慣付いてしまうと負のスパイラルから逃げだせんよ